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社会貢献

長榮大學は、キリスト教の精神にもとづいたキリスト教大学であり、「全人教育」、「博愛精神」、「いのちの教育」を総合した教育理念を掲げています。一般的に、キリスト教大学には国公立大学のような政府による手厚い補助がなく、財政基盤の問題がつきまとうのが常ですが、長榮大學ではこれを学生の負担にはしていません。それは、本学がキリスト教の精神に則り、いかなる人にも教育を受ける権利は平等に与えられており、それに応じて質の高い教育を行うのが本学の社会的責任を果たすことだ考えているからです。具体的には、まずその学習意欲に応じて、学生に人材や専門性、あるいは設備といったものを提供しています。次に、社会的弱者への平等な権利が決して失われぬようにし、そしてその理念と方針を地域や社会全体に浸透させるべく努力しています。さらには、地域社会との連携を強めて社会や産業の活性化を期し、地域コミュニティの価値の向上を計っています。また、環境保護の教育と実践にも継続的に力を注いできており、「緑の大学」として社会に広く認められています。加えて、積極的な情報発信も行っており、本学の教育成果のほか、社会に対する取り組みを紹介し、高い評価を得ています。

本学は、その理念や実践が社会正義の実現のための模範となることを期してやみません。とともに、本学の取り組みがさらに本学の学生や教職員の糧となり、それがまたさらに社会正義の実現の模範となるという、螺旋形の循環的発展が末永く続くよう願っています。

以下、本学の社会的責任についての取り組みをご紹介します。

(1) 環境保護

長榮大學は、二仁渓河畔の大学として、二仁渓流環境改善計画を打ち立て、地域住民の協力の下、長年にわたって河川保護運動を積極的に行ってきました。また環境保護教育の推進、大学構内の緑地面積の拡大や自然環境の整備にも力を入れています。さらには、「ジェーン・グドール・インスティテュート」 (JGI)の一員として、ジェーン・グドール博士による「根と新芽(Roots & Shoots)」という理念を広めるために、積極的な環境保護教育や環境保護運動の実施により、環境保護に対する意識を高めるための努力も行っています。また本学の環境保護教育の拠点であるECO Center(国際環境保護教育センター)の設立により、世界の志を同じくする教育機関との国際交流が促進され、学生や地域住民のより広い視野に立った環境保護意識の向上を目指しています。

(2) 地域社会との連携

本学では社会価値創造にも積極的に取り組み、文化や芸術を地域社会に取り込みながら、さまざまな連携活動を行っています。具体的には、大学とその近隣地区を文化的・芸術的雰囲気にあふれた地域にすべく、学内外への公共藝術の設置、大学・地域・NPO法人による交流イベントや座談会、大潭地区や歸仁区のウォールアートなどといった活動を行ってきました。また台南市政府に対するサイクリングロードの二仁渓までの延長の働きかけ、二仁渓博物館の設置、地域の農家との連携による青果マーケットの開催、観光英語クラスの開講、多言語による民宿紹介サイトの開設、バックパッカーサービスセンターの設立等も計画されています。展示されている公共藝術は、本学の教員と学生による共同作品であり、学生が学んだものを発揮し、創作アイディアを養う場となっているほか、地域社会や文化への理解を深めるのにも役立っています。こうした地域社会との積極的な連携や交流により、本学は文化的・芸術的雰囲気にあふれた地区に囲まれた良質な環境を有する大学として発展していくことでしょう。

(3) 社会的弱者への支援

本学は、一匹の羊をも見捨てないという良き羊飼いの精神に則り、全ての人々に教育を受ける権利があるとし、とりわけ社会的弱者や迷える子どもたちの教育を重視しています。 まず、多元文化を重んじる大学として、民族的マイノリティーの人びとのために「原住民族学生センター」を設立しました。ここでは、各原住民族の学生の学習や生活への支援やアドバイス等が行われており、原住民族学生の学生生活の質を高めることでその潜在能力が発揮され、社会や文化のために大きく貢献する優秀な人材が育成されることが期待されます。
心身障碍者の学生に対しては、各学生のニーズに合わせた学習リソースや支援を行っています。加えて、障害者参加型の運動会の開催などにより、教職員における心身障碍への理解をさらに深めるとともに、受動的ではなく、能動的で自主的かつ積極的に心身障碍者学生のサポートが行える環境を備えるようにしています。
また、本学では、学生の自主学習に対しても力を注いでいます。本学の自主学習に対するサポートとしては、授業外の時間に学習アドバイスが受けられる場を設け、その参加時間数により、学習奨励金を提供しています。これにより、多くの時間や体力をアルバイトに費やすことなく勉強することができ、経済的な不安も和らげることができます。低所得家庭の学生向けにも充実した奨学金制度が設けられているほか、ティーチングアシスタント制度は年ごとに拡大されており、生活費の不安を抱えることなく、安心して学業に励めるようになっています。

大学の健全な運営と持続的な発展のため、また大学理念の周知、社会的責任の実践、社会貢献を目に見える形で示すため、本学は透明性のある情報の公開と発信を非常に重視しています。2016年の大学発展報告書においては、財政、教育、研究、環境、社会連携など多項目に渡る豊富な内容が掲載され、健全性・持続性・透明性を兼備した情報公開がなされています。